方丈記
鴨長明 1212年
概要
1212年、鴨長明が京の南東・日野山に結んだ一丈四方(約3メートル四方)の庵で書いた随筆。前半は若い頃に見た安元の大火、治承の辻風、福原遷都、養和の飢饉、元暦の大地震の五つの災厄を記録し、人と住まいのはかなさを説く。後半は方丈の庵に移り住むまでの経緯と、そこでの簡素な暮らしの楽しみを語り、最後にはその庵への執着さえ自ら問い直して終わる。
時代背景
長明は下鴨神社の神職の家に生まれたが、望んだ職に就けず、50歳ごろ出家した。生きたのは平安から鎌倉への転換期で、源平の争乱と相次ぐ天災で都は荒廃した。和歌所の寄人を務めた歌人でもあり、歌論『無名抄』、仏教説話集『発心集』も著している。
読みどころ
- ゆく河の流れ「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」。誰もが知る冒頭を、全文のなかで読み直す。「平安京・内裏」を読む →
- 災害の記録大火で都の三分の一が焼け、飢饉で死者が道にあふれる。報道のように具体的な描写。「平安京・内裏」を読む →
- 福原遷都都が突然移され、家々は解体されて川を下り、新しい都は整わない。人々の不安と混乱。「福原」を読む →
- 方丈の庵組み立て式の小さな家、琴と琵琶、季節の移ろい。小さく暮らすことの楽しさと、その執着への問い。「日野・方丈庵跡」を読む →