『古事記』 上巻「八俣の大蛇」 舞台:出雲・斐伊川(島根県) 成立:712年 作者:太安万侶(稗田阿礼 誦習) ―――――――――――――――――――――――― 【原文】 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を 【現代語訳(抄訳)】 高天原を追放されたスサノオは、出雲国の肥の河(斐伊川)の上流、鳥髪という地に降り立った。すると川上から箸が流れてきたので、人が住んでいると知って上っていくと、老夫婦が娘を間に置いて泣いていた。翁はアシナヅチ、媼はテナヅチ、娘はクシナダヒメといった。 聞けば、もとは八人の娘がいたが、高志の八俣の大蛇が毎年やって来て一人ずつ食べてしまい、今年もその時期が来たのだという。大蛇の目はほおずきのように赤く、一つの胴に八つの頭と八つの尾があり、体には苔や檜、杉が生え、長さは八つの谷と八つの峰にわたり、腹は常に血でただれている。 スサノオは娘を妻にもらう約束をすると、娘を櫛に変えて自分の髪に挿した。そして老夫婦に八度も醸した強い酒を造らせ、垣を巡らせて八つの門を作り、門ごとに酒を満たした桶を置かせた。やって来た大蛇は八つの頭をそれぞれ桶に入れて酒を飲み、酔いつぶれて眠った。スサノオは十拳剣を抜いて大蛇をずたずたに斬り、肥の河は血で真っ赤になって流れた。 中ほどの尾を斬ったとき剣の刃が欠けたので、不思議に思って尾を裂くと、鋭い大刀が出てきた。これが草那芸之大刀で、スサノオはこれを天照大御神に献上した。その後、須賀の地に宮を建てると、雲が盛んに立ち上ったので、「八雲立つ」の歌を詠んだ。 ―――――――――――――――――――――――― 地点メモ:スサノオがヤマタノオロチを退治し、クシナダヒメを救う。 出典作品:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BA%8B%E8%A8%98