第154話近世小説抄訳・要確認

東海道中膝栗毛

五編(伊勢参宮)

舞台 伊勢神宮(三重県)
成立 1802〜1814年 作者 十返舎一九

現代語訳

日永の追分で東海道と分かれた弥次さん喜多八は、伊勢参宮街道を南へと下り、ついに伊勢の国の山田にたどり着いた。

江戸時代、お伊勢参りは、庶民の一生に一度の夢であった。「伊勢に行きたい伊勢路が見たい、せめて一生に一度でも」と歌われ、全国から毎年数十万人の人々が参詣した。六十年に一度ほど起こる「おかげ参り」の年には、数百万人もの人々が、伊勢へと押し寄せたという。

伊勢には、「御師」と呼ばれる神職がいて、参詣者の宿泊や案内、神楽の奉納などの世話をした。二人も、御師の家に泊まって、豪華な料理と酒でもてなされた。

山田に着いた二人は、ここでも騒動を起こす。宿で出会った上方の男を、喜多八が江戸っ子ぶってからかうと、逆にやりこめられてしまう。また、古市の遊郭に繰り出して、遊女に振られたり、財布をなくしたと大騒ぎしたりする。

ようやく外宮と内宮に参拝した二人は、五十鈴川で身を清め、神域の厳かな雰囲気に、さすがに神妙な気持ちになった。弥次さんは、「ありがたや神の恵みの五十鈴川、流れの末はいつまでも絶えず」と、殊勝な歌を詠んだ。

伊勢参りを済ませた二人は、「せっかくここまで来たのだから、京、大坂も見物していこう」と、伊勢から大和路を通って、京へと向かった。二人の旅は、まだまだ続くのである。

地点メモ:目的の伊勢参り。古市の遊郭でも騒動を起こす。
※この話は細部に記憶違いを含むおそれがあります。引用・公開の際は原典と照合してください。
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