源氏物語

紫式部 1008年頃

概要

全54帖。帝の子に生まれながら臣下となった光源氏の恋と栄華、そして晩年の苦悩を描く正編と、源氏の死後、薫と匂宮をめぐる宇治の物語(宇治十帖)からなる。70年余りの時間と数多くの人物を描き、和歌約800首を含む。作者は一条天皇の中宮彰子に仕えた紫式部。

時代背景

藤原道長が娘たちを后に立て、摂関政治が最盛期を迎えた頃に書かれた。紫式部は受領(地方官)の家の出身で、夫の死後、彰子の女房として宮仕えした。物語は「いづれの御時にか」と少し昔の宮廷に設定され、後宮の序列、結婚、出家、物の怪、政争による都落ちなど、貴族社会の現実を背景にしている。宮中で評判となったことが『紫式部日記』に記されている。

読みどころ

  1. 桐壺身分の高くない更衣が帝の寵愛を一身に受け、嫉妬のなかで亡くなる。すべてはここから始まる。「平安京・内裏」を読む →
  2. 野宮の別れ秋の嵯峨野で、伊勢へ下る六条御息所と源氏が最後に逢う。物語屈指の美しい場面。「野宮神社」を読む →
  3. 須磨・明石政敵に追われ、自ら須磨に退く源氏。嵐と夢、明石の君との出会いを経て都に戻る、物語の転回点。「須磨」を読む →
  4. 宇治十帖光源氏亡きあと、宇治の姫君たちと浮舟をめぐる、より暗く内省的な物語。結末は読者に委ねられる。「宇治」を読む →