平家物語
作者未詳(信濃前司行長説) 13世紀
概要
平清盛を中心とする平家一門が栄華を極め、源氏との戦いに敗れて壇ノ浦で滅びるまでを描く軍記物語。よく読まれる覚一本は12巻に灌頂巻を加える。合戦だけでなく、若武者の最期、女性たちの悲しみ、出家と往生の物語が織り込まれ、全体を「諸行無常」「盛者必衰」の思いが貫く。
時代背景
12世紀後半、保元・平治の乱を経て、平清盛は武士として初めて太政大臣となり、娘の徳子を高倉天皇の后とした。しかし後白河法皇との対立、以仁王・源頼朝・木曾義仲の挙兵が続き、清盛の死後、平家は都を追われる。物語は13世紀に成立し、盲目の琵琶法師が琵琶に合わせて語る「平曲」として全国に広まった。語り継がれるうちに増補され、多くの異本がある。
読みどころ
- 祇園精舎「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」。声に出して読みたい冒頭。「祇園精舎」を読む →
- 俊寛鬼界ヶ島に一人だけ残され、迎えの船にすがりついて足摺りして泣く。「足摺」を読む →
- 敦盛最期熊谷直実が組み伏せたのは、わが子と同じ年頃の美しい若武者だった。「坂落」を読む →
- 那須与一波に揺れる舟の上の扇を、一矢で射落とす。敵味方がそろって喝采する、戦場の一瞬の晴れ舞台。「那須与一」を読む →
- 先帝身投八歳の安徳天皇を抱いて、二位尼が海に沈む。「波の下にも都の候ふぞ」。「先帝身投」を読む →