太平記
小島法師ほか(諸説) 1370年頃
概要
全40巻。後醍醐天皇の倒幕計画から、鎌倉幕府の滅亡、建武の新政、足利尊氏の離反と南北朝の分裂、幕府内の争いを経て、細川頼之が管領となるまでの約50年を描く。楠木正成・新田義貞・足利尊氏・高師直・佐々木道誉ら、個性の強い人物が入り乱れる。中国の故事を多く引く、力強い和漢混交文で書かれている。
時代背景
14世紀、鎌倉幕府の力が衰えるなか、後醍醐天皇は天皇による直接の政治を目指して倒幕を企てた。建武の新政は武士の不満を招いて数年で崩れ、京の北朝と吉野の南朝が並び立つ時代が60年近く続いた。物語は室町幕府のもとで書き継がれ、題名の「太平」には、戦乱が収まることへの願いが込められているとされる。
読みどころ
- 千早城わずかな兵で籠もる楠木正成が、藁人形や大石、熱湯で幕府の大軍を翻弄する。「千剣破城軍の事」を読む →
- 稲村ヶ崎新田義貞が黄金の太刀を海に投じると潮が引き、鎌倉へ攻め込む道が開ける。「稲村崎干潟となる事」を読む →
- 湊川勝ち目のない戦に向かう正成が、子の正行を故郷に帰し、湊川で弟正季と「七生まで人間に生まれて朝敵を滅ぼさん」と誓って果てる。「正成兵庫に下向し子息に遺訓の事」を読む →
- 後醍醐天皇の最期吉野の山中で、京へ帰る望みを抱いたまま亡くなる。「先帝崩御の事」を読む →