曾根崎心中

近松門左衛門 1703年

概要

全三段の世話浄瑠璃。大坂の醤油屋の手代・徳兵衛は、天満屋の遊女お初と恋仲。主人が持ちかけた縁談を断り、継母が受け取った持参金を取り戻したものの、その金を友人の九平次に貸してだまし取られ、人前で恥をかかされる。身の潔白を証すすべを失った徳兵衛は、お初とともに夜明け前の曾根崎の森へ向かう。

時代背景

1703年4月、大坂で実際に起きた心中事件を、近松門左衛門がおよそ1か月で浄瑠璃に仕立て、竹本座で上演した。それまでの浄瑠璃は歴史上の人物を描く時代物が中心だったが、本作は同時代の町人の事件を描く「世話物」の始まりとなり、大当たりして竹本座の経営を立て直した。その後、心中物が流行し、幕府は心中物の上演や出版を禁じるまでになった。

読みどころ

  1. 生玉社前久しぶりに会えたお初と徳兵衛。そこへ九平次が現れ、徳兵衛は群衆の前で打ちのめされる。「生玉社前の段」を読む →
  2. 縁の下の覚悟天満屋で、お初は裾に隠した徳兵衛に足で死ぬ覚悟を問い、徳兵衛はその足を喉に当てて答える。「天満屋の段」を読む →
  3. 道行「この世の名残、夜も名残。死にに行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜」。名文として知られる道行。「天神森の段(道行)」を読む →