仮名手本忠臣蔵
竹田出雲・三好松洛・並木千柳 1748年
概要
全十一段の人形浄瑠璃で、すぐに歌舞伎でも上演された。元禄の赤穂事件を、幕府をはばかって室町時代の『太平記』の世界に置き換え、浅野内匠頭を塩冶判官、吉良上野介を高師直、大石内蔵助を大星由良助として描く。殿中の刃傷、判官切腹と城明け渡し、早野勘平とお軽の悲劇、祇園一力茶屋での由良助の遊興、加古川本蔵一家の犠牲、そして討ち入りまでを、多くの人物の視点から描く。
時代背景
1701年、江戸城松の廊下で赤穂藩主浅野長矩が吉良義央に斬りつけ、その日のうちに切腹となった。翌年12月、旧家臣47人が吉良邸に討ち入り、のちに切腹を命じられた。事件は早くから芝居の題材となったが、同時代の武家の事件を実名で上演することは許されなかった。事件から47年後、竹田出雲ら三人の合作で生まれた本作は、それまでの忠臣蔵ものの集大成となった。「仮名手本」は、四十七士をいろは47文字になぞらえた題名。
読みどころ
- 判官切腹由良助の到着を待ちわびながら腹を切る判官。城明け渡しのあと、由良助が一人門前に残り、主君の形見の刀を見つめる。「判官切腹の段」を読む →
- 一力茶屋仇討ちの本心を隠して遊びほうける由良助。敵の間者、お軽、その兄平右衛門が絡む、虚実の駆け引き。「祇園一力茶屋の段」を読む →
- 山科閑居許嫁どうしの家が敵味方に分かれ、本蔵が自ら槍を受けて娘の婚礼を叶える。「山科閑居の段」を読む →
- 討ち入り雪の夜、本懐を遂げる大団円。「高家討入りの段」を読む →