諸国温泉功能鑑

作者未詳(温泉番付) 江戸後期(19世紀前半)

概要

全国の温泉を相撲の番付になぞらえて東西に分け、大関・関脇・小結・前頭と格付けし、それぞれの効能を書き添えた一枚刷り。行司や勧進元の欄にも名高い湯が置かれる。東の大関に上州草津、西の大関に摂州有馬を据えるのが定番で、版元や時期によって内容の異なる多くの版がある。

時代背景

江戸後期、湯治は病の治療だけでなく、庶民の楽しみとしての旅でもあった。農作業の合間に湯治場に長く逗留する習慣があり、温泉地は宿や土産物で賑わった。相撲番付に見立てた「見立番付」は、名所・名物・長者・料理などあらゆる分野で作られた、江戸の人々のランキング遊びである。

読みどころ

  1. 東の大関・草津「恋の病のほかは効く」といわれた強い湯。湯もみの光景とともに。「草津」を読む →
  2. 西の大関・有馬古代から天皇も訪れた名湯。豊臣秀吉も愛した。「有馬」を読む →
  3. 道後『伊予国風土記』の逸文に、病んだ神が湯で生き返ったと記される、古い伝承を持つ湯。「道後」を読む →