怪談
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) 1904年
概要
1904年、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が英語で出版した作品集。原題は Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things。「耳なし芳一」「雪女」「ろくろ首」「むじな」など十数編の怪談と、蝶・蚊・蟻を扱った随筆「虫の研究」を収める。日本の古い書物や民間の伝承を下敷きに、短く澄んだ英文で語り直している。
時代背景
ハーンはギリシャ生まれ、アイルランド育ちの作家・記者。1890年に来日し、松江で中学校の英語教師となり、小泉セツと結婚した。その後、熊本、神戸、東京へ移り、1896年に帰化して小泉八雲と名乗った。急速に近代化・西洋化する明治の日本で、ハーンは失われつつある古い信仰や心のあり方に惹かれた。セツが古い本の怪談を語って聞かせ、ハーンはそれを本ではなく「あなたの言葉で」話してほしいと頼んだという。『怪談』は彼が亡くなった年に刊行された。
読みどころ
- 耳なし芳一平家の亡霊に琵琶を聞かせる盲目の芳一。全身に経文を書いたのに、耳だけ書き忘れていた。「耳なし芳一のはなし」を読む →
- 雪女吹雪の小屋で見た白い女と、誰にも話すなという約束。妻となったお雪に、その夜のことを話してしまう。「雪女」を読む →
- むじな紀国坂で泣いている女の顔は、のっぺらぼうだった。逃げこんだ蕎麦屋で……。短く鮮やかな結末。「むじな」を読む →
- おしどり猟師が射たおしどりの雄。その夜、夢に雌が現れて泣く。哀切な小品。「おしどり」を読む →