竹取物語

作者未詳 9世紀末〜10世紀初

概要

竹の中から見つかった小さな女の子が、三か月で美しい娘に育ち、かぐや姫と名づけられる。五人の貴公子に「仏の御石の鉢」「蓬莱の玉の枝」などの難題を出して求婚を退け、帝の求めにも応じず、八月十五夜、月の都からの迎えとともに天へ帰る。残された帝は、姫が残した不死の薬を、天に最も近い山で焼かせた。作者は不明で、漢学や仏典に通じた男性知識人とみられる。

時代背景

平安時代前期、仮名文字が広まりはじめ、漢文ではなく仮名で書く「物語」が生まれた。五人の貴公子には実在の公卿に似た名がつけられ、権力者の欲や見栄を笑う風刺も読み取れる。天女が地上に降りて去る羽衣伝説や中国の説話など、さまざまな伝承を一つの物語に組み上げている。

読みどころ

  1. 貴公子たちの失敗職人に偽の玉の枝を作らせて代金で揉める皇子、燕の子安貝を取ろうとして落ちる中納言。語呂合わせの落ちが続く、喜劇としての面白さ。
  2. 昇天二千人の兵が守っても、天人が来ると誰も弓を引けない。天の羽衣を着せられると、人の心は消えてしまう。「かぐや姫の昇天」を読む →
  3. 富士の煙帝は不死の薬を山頂で焼かせ、その煙はいまも雲の中へ立ちのぼるという。山の名の由来で物語が閉じる。「富士の煙」を読む →