枕草子

清少納言 1001年頃

概要

中宮定子に仕えた清少納言の随筆。約300の章段は、「山は」「すさまじきもの」のように物を挙げていく類聚的章段、定子の後宮での出来事を記す日記的章段、自然や人生を語る随想的章段に分けられる。鋭い観察と、短く切れのよい文章で、「をかし」と感じたものを書き留めている。

時代背景

一条天皇の時代、宮廷には藤原道隆の娘・定子と、道長の娘・彰子という二人の后が並び立った。清少納言が仕えた定子の後宮は明るく知的な雰囲気で知られたが、道隆の死後、兄の伊周が失脚し、定子は1000年に出産で亡くなる。枕草子は定子が輝いていた日々を中心に描き、一家の没落についてはほとんど書かない。

読みどころ

  1. 春はあけぼの四季それぞれの一番よい時間を言い切る冒頭。感覚の鋭さが一段に詰まっている。「春はあけぼの」を読む →
  2. 香炉峰の雪定子の問いかけに、白居易の詩句をふまえて御簾を高く上げてみせる。主従の知的な遊び。「春はあけぼの」を読む →
  3. 稲荷詣坂道で息を切らしている自分を、身軽な女がすいすいと追い越していく。うらやましさを隠さない正直さ。「うらやましげなるもの」を読む →
  4. 寺に籠もる正月の清水寺の騒がしさと、そこに集う人々を、面白そうに眺める。「正月に寺にこもりたるは」を読む →