二十七 縮の種類

北越雪譜 原文
原文現代語訳

魚沼郡の内にて縮をいだす事一様ならず、村によりて出(いだ)す品(しな)にさだめあり。こは自(おのづか)らむかしより其品(しな)にのみ熟練(じゆくれん)して他(ほか)の品(しな)に移(うつ)らざるゆゑ也。其所その品を産(いだ)す事左のごとし。

▲白縮は堀(ほり)の内町在(ざい)の村々(これを堀の内組といふ)又浦佐(うらさ)組小出嶋(こでじま)組の村々 ▲模様(もやう)るゐ或(あるひ)は飛白(かすり)いはゆる藍錆(あゐさび)といふは塩沢(しほざは)組の村々 ▲藍綅(あゐじま)は六日町組の村々 ▲紅桔梗縞(べにききやうしま)のるゐは小千谷(をぢや)組の村々 ▲浅黄繊(あさぎじま)のるゐは十日町組の村々也。又紺(こん)の弁慶縞(べんけいじま)は高柳郷(たかやなぎごう)にかぎれり。右いづれも魚沼(うをぬま)一郡(ぐん)の村々也。此余(よ)ちゞみを出(いだ)す所二三ヶ村あれど、専(もつは)らにせざればしばらく舎(おき)てしるさず。縮は右村里の婦女(ふぢよ)らが雪中に籠(こも)り居(を)る間(あひだ)の手業(てわざ)也。およそは来年(らいねん)売(うる)べきちゞみをことしの十月より糸をうみはじめて次(つぎ)の年二月なかばに晒(さら)しをはる。白縮はうち見たる所はおりやすきやうなれば、たゞ人は文(あや)あるものほどにはおもはざれども、手練(しゆれん)はよく見ゆるもの也。村々の婦女(ふぢよ)たちがちゞみに丹精(たんせい)を尽(つく)す事なか〳〵小冊(さつ)には尽(つく)しがたし。其あらましを下に記(しる)せり。

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