七十 越後の城下

北越雪譜 原文
原文現代語訳

越後の国往古(わうご)は出羽越中(ではゑつちゆう)に距(またが)りし事国史(こくし)に見ゆ。今は七郡(ぐん)を以て一国(いつこく)とす。東に岩船郡(いはふねごほり)(古くは石(いは)に作る海による)蒲原(かんばら)郡(新潟(にひがた)の湊(みなと)此郡に属す)西に魚沼(うをぬま)郡(海に遠し)北に三嶋(みしま)郡(海による)刈羽(かりは)郡(海に近し)南に頸城(くびき)郡(海に近き処もあり)古志(こし)郡(海に遠し)以上七郡(ぐん)也。城下は岩船郡(いはふねこほり)に村(むら)上(内藤侯五万九千石ヨ)蒲原(かんばら)郡に柴田(しばた)(溝口侯五万石)黒川(くろかは)(柳沢侯一万石陣営)三日市(柳沢弾正侯一万石陣営)三嶋郡に与板(よいた)(井伊侯二万石)刈羽(かりは)郡に椎谷(しひや)(堀侯一万石陣営)古志郡に長岡(ながをか)(牧野侯七万四千石ヨ)頸城(くびき)郡に高田(たかた)(榊原侯十五万石)糸魚川(いといかは)(松平日向侯一万石陣営)以上城下の外(ほか)頗(すこぶる)豊饒(ぶねう)を為(な)す処(ところ)、魚沼(うをぬま)郡に小千谷(をぢや)、古志郡に三条(さんでう)、三嶋郡に寺泊(てらとまり)○出雲崎(いづもざき)、刈羽(かりは)郡に柏崎(かしはざき)、頸城(くびき)郡に今町(いままち)なり。蒲原(かんばら)郡の新潟(にひがた)は北海第一の湊(みなと)なれば福地たる㕝(こと)論(ろん)を俟(また)ず。此余(このよ)の豊境(はうきやう)は姑(しばらく)略(りやく)す。此地皆十月より雪降(ふ)る、その深(ふかき)と浅(あさき)とは地勢(ちせい)による。猶(なほ)末(すゑ)に論(ろん)ぜり。

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