農業全書
宮崎安貞(貝原楽軒 補、貝原益軒 序) 1697年
概要
全10巻に付録1巻を加えた農書。最初の「農事総論」で土の見分け方、耕し方、種まき、肥料、水の管理など農業の基本を説き、続く巻で五穀、野菜、木綿や藍などの工芸作物、茶や桑などの樹木、果樹、薬草まで、150種を超える作物の作り方を一つずつ記す。付録は貝原楽軒が書いた。
時代背景
17世紀、新田開発で耕地が大きく広がり、木綿・菜種・藍などの商品作物の栽培も盛んになった。農業の技術は村ごとに口伝えで受け継がれていたが、出版文化の発達とともに、それを書物にまとめて広める試みが始まった。福岡藩士だった宮崎安貞は職を辞して筑前の女原村で農業に打ち込み、各地を巡って老農の話を聞き、明の農書も参照してこの書を著した。刊行は京都で、貝原益軒が序を寄せた。
読みどころ
- 農は国のもと農を天下の根本とみる考えと、土を見て時を知るという心得。総論は今読んでも筋が通っている。「農事総論」を読む →
- 稲の作り方苗代から田植え、草取り、刈り取りまで。畿内の進んだ技術を、手順を追って具体的に記す。「五穀之類」を読む →
- 木綿人々の衣服を大きく変えた木綿の栽培法。河内などの綿作地帯の繁栄を背景に読む。「三草之類」を読む →