十八 武隈

おくのほそ道 原文
原文現代語訳

武隈の松にこそめ覺(さむ)る心地(ここち)はすれ。根は土際(つちぎは)より二木(ふたき)にわかれて、昔の姿うしなはずとしらる。先(まづ)能因法師(のういんほふし)思(おも)ひ出(いづ)。往昔(そのかみ)むつのかみにて下(くだ)りし人、此(この)木を伐(きり)て名取川(なとりがは)の橋杭(はしぐひ)にせられたる事などあればにや、松は此(この)たび跡もなしとは詠(よみ)たり。代〻(よよ)あるは伐(きり)、あるひは植繼(うゑつぎ)などせしと聞(きく)に、今將(いまはた)千歳(ちとせ)のかたちとゝのほひて、めでたき松のけしきになん侍(はべり)し。

「武隈の松みせ申せ遲櫻」と擧白(きよはく)と云(いふ)ものゝ餞別(せんべつ)したりければ、

櫻より松は二木(ふたき)を三月越(みつきごし)

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