東海道中膝栗毛

十返舎一九 1802〜1814年

概要

江戸の弥次郎兵衛と喜多八が、厄落としの伊勢参りを思い立って東海道を上り、伊勢から京・大坂へ至る道中を描く滑稽本。1802年に初編が出て評判となり、続編が書き継がれ、のちの『続膝栗毛』では金毘羅・宮島・木曾路・善光寺などへ旅が広がって、20年余り続いた。会話中心の軽妙な文章と、各地の名物・方言・宿屋の風俗、狂歌が楽しい。「膝栗毛」は、自分の膝を栗毛の馬の代わりにする、つまり歩いて旅するという意味。

時代背景

19世紀初め、伊勢参りは庶民の一生に一度の夢で、講を組んで旅費を積み立てて出かけた。街道や宿場が整い、道中案内や名所図会も多く出版された。十返舎一九は駿府の出身で、大坂で浄瑠璃作者をしたのち江戸で戯作者となり、原稿料で暮らしを立てた最初期の作家の一人とされる。

読みどころ

  1. 五右衛門風呂小田原の宿で、風呂の底板の使い方がわからず、下駄をはいて入って釜の底を踏み抜く。「箱根」を読む →
  2. 丸子のとろろ汁名物を食べようとして、店の夫婦げんかに巻き込まれる。「丸子」を読む →
  3. 桑名の焼き蛤「その手は桑名の焼き蛤」でおなじみの名物を前にした、二人のやりとり。「桑名」を読む →
  4. 京見物江戸っ子の見栄と失敗が、上方の都でいっそう空回りする。「京・三条大橋」を読む →