八 黒羽

おくのほそ道 原文
原文現代語訳

黒羽の舘代(くわんだい)淨坊寺(じやうばうじ)何がしの方(かた)に音信(おとづ)る。思ひかけぬあるじの悦び、日夜語(かたり)つゞけて、其(その)弟桃翠(たうすゐ)など云(いふ)が朝夕勤(つとめ)とぶらひ、自(みづから)の家にも伴ひて、親屬(しんぞく)の方(かた)にもまねかれ日をふるまゝに、ひとひ郊外に逍遙して犬追物(いぬおふもの)の跡を一見し、那須の篠原(しのはら)をわけて玉藻(たまも)の前(まへ)の古墳(こふん)をとふ。それより八幡宮に詣(まうづ)。與市(よいち)扇の的(まと)を射(い)し時、別しては我國(わがくに)氏神正八まんとちかひしも、此(この)神社にて侍(はべる)と聞(きけ)ば、感應殊(ことに)しきりに覺えらる。暮(くる)れば桃翠宅に歸る。

修驗(しゆげん)光明寺と云(いふ)有(あり)。そこにまねかれて行者堂(ぎやうじやだう)を拜す。

夏山に足駄(あしだ)を拜む首途(かどで)哉

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